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知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ/苅谷 剛彦

カテゴリー: 本(ビジネス書・マンガ・雑誌)



知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫) 知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)
苅谷 剛彦 

講談社 2002-05
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その事態を自分自身とのかかわりの中でとらえ直す複数の視点を持つこと。
そこから自分なりの考える力をはたらかせていく方法を
「知的複眼思考」(場合によっては簡単に「複眼思考」)と呼ぶ

自分なりの問題を立てるにはどうすればよいのか。
立てた問題をどのように展開していけば、それまで隠れていた、新しい問題の発見につながるのか。
そして、何よりも、どうすれば、ステレオタイプにとらわれない「自分の頭で考える」視点を得ることができるのか。
自分で考えるためのこうした方法を、わかりやすく解説したテキスト。

一言でいえば、書き手の言い分を鵜呑みにしない読書のすすめ。
つまり、批判的な読書を通じて、ものごとに疑問を感じること、
ものごとを簡単に納得しないこと、「常識」に飲み込まれないこと、
すなわち自分で考えるという姿勢ができてくるのです。

批判的読書のコツ 20のポイント
批判的読書は・・・・・・
1.読んだことのすべてをそのまま信じたりはしない。
2.意味不明のところには疑問を感じる。意味が通じた場合でも疑問に感じるところを見つける。
3.何か抜けているとか、欠けているなと思ったところに出会ったら、繰り返し読み直す。
4.文章を解釈する場合には、文脈によく照らす。
5.本についての評価を下す前に、それがどんな種類の本なのかをよく考える。
6.著者が誰に向かって書いているのかを考える。
7.著者がどうしてそんなことを書こうと思ったのか、その目的が何かを考える。
8.著者がその目的を十分果たすことができたかどうかを知ろうとする。
9.書かれている内容自体に自分が影響されたのか、それとも著者の書くスタイル(文体)に強く影響を受けているのかを見分ける。
10.議論、論争の部分を分析する。
11.論争が含まれる場合、反対意見が著者によって完全に否定されているのかどうかを知る。
12.根拠が薄く支持されない意見や主張がないかを見極める。
13.ありそうなこと(可能性)にもとづいて論を進めているのか、
必ず起きるという保証付きの証拠(必然)にもとづいて論を進めているのかを区別する。
14.矛盾した情報や一貫していないところがないかを見分ける。
15.当てになりそうもない理屈にもとづく議論は割り引いて受け取る。
16.意見や主張と事実との区別、主観的な記述と客観的な記述との区別をする。
17.使われているデータをそのまま簡単に信じないようにする。
18.メタファー(たとえ)や、熟語や術語、口語表現、流行語・俗語などの利用のしかたに目を向け、理解につとめる。
19.使われていることばの言外の意味について目を配り、著者が本当にいっていることと、いってはいないが、ある印象を与えていることを区別する。
20.書いていることがらのうちに暗黙のうちに入り込んでいる前提が何かを知ろうとする。
(Critical Reading Improvement, Anita E. Harnadek, MacGraw-Hill, Inc.,1969, pp.1-2を参考に作成)

その中でも重要なチェックポイントとして以下の四つをあげることができる。
(1) 著者を簡単には信用しないこと
(2) 著者のねらいをつかむこと
(3) 論理を丹念に追うこと、根拠を疑うこと
(4) 著者の前提を探り出し、疑うこと

問題点を探し出すことで止まってしまっては、「批判的読書」は思考力を鍛える半分までの仕事しかできません。
考える力をつけるためには、もう一歩進んで「代案を出す」ところまで行く必要があるのです。

1. まず結論を先に述べ、それから、その理由を説明するというスタイルをとる(→「私は、偏差値の全廃が果たして学校にとっても子どもにとってもよいことか悪いことなのか、判断がつきかねる」)。
2.理由が複数ある場合には、あらかじめそのことを述べておく。また、説明をいくつかの側面から行う場合にも、あらかじめそのことを述べておく(→「その理由を功と罪の2つに分けて以下に説明しよう。」)。
3.判断の根拠がどこにあるのかを明確に示す(→「という点で」「知り合いの中学教師によれば」「忙しくなったという」)。
4.その場合、その根拠にもとづいて、推論をしているのか(→「問題であろう」)、断定的にいっているのか、わかるようにしておく。
5.別の論点に移るときには、それを示すことばを入れておく(→「もうひとつの問題点は」)。
6.文と文がどのような関係になるのかを明確に示す(文中に傍線を引いた接続のことばに注目)。

1.ひとりディベートをやってみよう。
2.そのとき、自分で仮想の立場を複数設定して、それぞれの立場からの批判や反論を試みる。
3.さまざまな立場に立った反論を書くことで、書き手がよって立つ複数の前提も見えてくる。
4.反論や批判は、頭で考えるだけではなく、必ず文章にしてみる。文章にすることで、論理の甘さも見えてくる。自分の立場を第三者的にとらえることも可能になる。

複眼思考とは、ものごとを単純にひとつの側面から見るのではなく、その複雑さを考慮に入れて、複数の側面から見ることで、当たりまえの「常識」に飲み込まれない思考のしかたです。
したがって、ひとつの問いを複数の問いに分解し、それぞれのつながりを考えていく方法を身につけることによって、私たちは複数の視点を得ることができるようになります。

1.なぜ、という問いは、考えることを誘発する。
2.なぜを問う「因果関係」を確定するには、三つの原則がある。中でも、第三の原則(他の条件の同一性)が重要。
3.原因だと思われている要因が、じつはあまり重要でない場合(擬似相関)に注目する。
そのためには、原因以外の要因が影響を及ぼしていないかどうかに目を向ける。
他の社会や組織、違う時代との比較が有効なヒントを与えてくれることがある。1.

複眼思考を身につけるためには、概念のレベルで問題を考えていくことが重要となります。
なぜなら、個別のケースの中だけで考えているかぎり、そのケースを超え出る問題の広がりには目が向かないからです。
当面の問題だけを追っていると、その問題が自分にとって身近でなじみがある分だけ、問題を当たりまえと見なしてしまうことも多くなるのです。

1.目の前の問題(事象)は、どのような要因(要素)の場合かを考える(=分解)。
2.それぞれの要因の間にはどのような関係があるのかを考える(=相互作用の抽出)。
3.そうした要因の複合の中で、問題としていることがらがどのような位置を占めているのかを考える(=全体の文脈への位置づけ)。

逆説的な出来事として、ものごとをとらえ直す目を持つこと。それが複眼思考の第二の方法となります。

1.これから行おうとしていることが、どんな副産物を生み出す可能性があるのか。
その波及効果をなるべく広い範囲で考えておく。
ひょっとしたらその副産物によって当初の意図がくじかれてしまう可能性がないかどうかを考えたうえで実行に移す。
2.やろうとしていることに抜け道はないかを考えておく。
抜け道があった場合、そういう手だてを使う人がどういう人か、それによって、当初の計画がどのようなダメージを受けるかについて考えておく。
3.自分たちのやろうとしていることは、それぞれが集まった場合にどのような意味を持つのか。
他の人や組織も同じようなことをした場合、全体の影響はどのようなものになり、それは当初の意図とどのようにずれてしまう可能性があるのかを考えておく。
4.計画や予測を立ててそれを表明すること自体が、その計画や予測にどのように跳ね返ってくる可能性があるのかを考える。

問うこと自体を問う――こうして、メタの視点に立つことが、複眼的な思考を進めるもうひとつの方法になります。

あることがらを問題と見なす視線が広く共有され、その見かたが支配的になることで、それが問題として<発見>されるということを指摘したいのです。

1.「なぜ、それが問題なのか」に着目することによって、ある問題を問題と見なす視点は何かをとらえる。
2.同じようなことがらでも、問題にする視点によって問題のとらえかたや問題のしかたが違ってくることに注目する。
3.ある問題がクローズアップされることで、隠れてしまう問題がないのかに目を向ける。
4.さらに問題の文脈に目を向けるための方法として、
(a) ある問題を立てることで、誰が得をするのか損をするのかに目を向ける。
(b) 当該の問題が解けたらどうなるか、を考える。

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ライター紹介

ぴろきち

ぴろきちです。大阪生まれで大阪育ち。関西人らしくないと薄々感じてましたが、どうやら血は大阪人じゃないようです。環境で大阪人になってもよさそうなのにね。

世界遺産めぐりが好きで特に遺跡に興味があります。他には神社や寺めぐりをして、御朱印集めをはじめてまもない状態。自分のルーツ・人のルーツをたどることが好きで、家系図づくりをしていますが、4世代より前へなかなか進めずにいます。肌が弱いので、タバコの煙が苦手。お酒もほぼ飲みません。

食べ過ぎたりもしたけれど、ぴろきちは元気です。

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